ソロプレナーやフリーランスで仕事をすることになっても、最初はどうしてよいかなかなかわからないものです。1人で受注するには不安だし、誰かの下請けになるのでは単純作業者になって報酬も叩かれてしまいます。
そこでおすすめなのが並列受注です。並列受注は僕の造語で、定義は「自分と同じ機能を持った他者と、それぞれが別契約で発注者から受注する」というものです。
並列受注のメリット
並列処理でスケールアップ
他の受注者と発注者に対する利害関係が一致するので、相談しやすい協力関係ができます。相談しながら仕事を進めることで、1人で検討する数倍の速度で仕事が進んだり、結論の精度が向上したりすることが見込めます。
相互扶助
1人で語っても説得力に欠けるときに、合いの手を入れるだけでも随分と確からしく見えることがしばしばあります。他の受注者と共同して信頼を勝ち得ることが容易になります。
また、自分が体調不良や所用で仕事を空けるときでも、他の受注者が穴を埋めてくれれば業務は成立します。安心感を持って働くことができたりフレキシブルに予定を立てたりすることができるようになります。
効率的な収益配分
一般的な会社とは異なり、利益獲得に貢献しない人に収益を配分する必要がないので、労働生産性が高まります。一方で、他の受注者が問題を起こしても別契約なので損害を被ることはありません。
並列受注のデメリット
収益のシェア
理論的には本来1人で受注していれば獲得できた報酬をシェアすることになるので、受注者が増えるほど採算が悪くなります。但し、必ずしもそうでもないこともあるのでマンパワーを増やしても自分の報酬が減らないのであれば積極的に増やすべきです。
囚人のジレンマ
成果が受注者間で共有されることになると、できるだけ作業をしないほうがコスパがよくなるため、動きが悪くなってきます。一般的な会社でも同じですが、誰かが最初は我慢し、状態が継続することで関係の崩壊に近づきます。最終的に誰も仕事をしなくなると、発注者に対して成果物を提供できなくなるので、受注者はみな仕事を失うことになります。このように利害関係のある者同士がそれぞれ自分の最大利益を考えた結果、協力した場合よりも悪い状態に陥ってしまうことを囚人のジレンマと呼びます。よっぽど我慢強い人でも7:3の稼働割合が限界ラインだと思います。
並列受注を継続させるコツ
並列受注者を厳選する
並列受注者の能力や誠実性などの心的態度を測り、関係は対等なのか、どちらが上でどちらが下なのかというのをハッキリしておくべきです。また、仕事の出来や性格に難があったとしても許容できる水準なのか、許容できる関係なのかという点も大きく関わってきます。
頻繁にコミュニケーションを取る
受注者間では頻繁にコミュニケーションを取るべきです。自分が忙しいときにパートナーから終日何も連絡が来なかったりすると、「成果物が出てこないが、何もしていないのではないか?」などと邪推してしまうものです。悶々としている時間を過ごすうちにどんどん自分のモチベーションは下がっていってしまいます。メールやチャットなどのテキストでは感情の誤解が生じやすいので、できれば直接会って、それが無理ならば通話するなどして、お互いの進捗や思いを共有し、共通の利益を目指していることを再確認する機会を多く設けるべきです。
お互いを尊重する
受注者間で議論になったときに他の受注者の意見を潰したり、発注者の前で自分のほうが上であるかのように見せようとする動きをすると、信頼関係はもうおしまいです。結果的に受注者それぞれがみんな損することになります。共通の利益を目的に動いているということを心に留めておかなければなりません。
責任の所在を明確にする
失敗を恐れて「みんなでやりました」と主張しがちですが、成果を受注者間で共有するほどに手を動かさないインセンティブが働いてしまうので、受注者全員のためになりません。業務について誰がやるべき、誰がやったというのを明確にする必要があります。そのため、契約書も三者間契約書とせず、それぞれの受注者が個別に発注者と契約した方がよいです。
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